最後の仕事の瞬間

すっかり病院暮らしとなった父が
動かない体をおして
最後に板場に立った日のことを覚えている。

急がしい週末の夜。
ふらふらと及ばない足下が
板場ではすっと定まり、
最後の灯火のごとく
眼光鋭く立つ。

しかし振り絞る気力とはウラハラに
動かない指先に苛立ち
「替われ...」
やがて一言のこして去る背中は
小さく霞んで見えた。

最後の仕事。
誰もがそれを探す。

終わりの瞬間。
いつまでも終わらないことを願っても
それはやがて必ずやってくる。

喧嘩をすれば
最後にはいつもこういった。

”嫌なら辞めればいい。
ああ、全員辞めてしまえ!!
俺一人でもやれる”

体が動かなくなっても
病室のベッドの上でも
そう怒鳴られる。

頑固親父のワガママ、
病人の戯言だとそう思っていた。
動かない体、もちろん一人では何もできるはずは無い。
ただの強がりだろう。
...そう思って、受け流していた。

しかし、「最後の仕事」を終えて
寂しげに去っていく父を見ながら
涙の向こうにはっきりと感じた。

それは、職人の強さである。
創り上げた者の心の強さ。

「一人になっても、やり抜く」
自分の理想は絶対に曲げない。
終わりの瞬間までずっと
それを追い求めていく。

「心の強さ」は、
背中から学ぶしか無い。

ふと思い出し
語りかける。

仕事を磨く。
商売を磨く。
人が元気になり、それが街に広がっていく。
ひとつの点の輝きではダメ。
無数の銀河の輝きを目指す。

街が元気になり
地域が元気になり
やがて...
その広がりが日本を元気にする。

日本中に広がる
光り輝く銀河の一部になりたい。

そんな仕事がしたい!!

どうすればいい?
そうすればいい?
どうすればいい?
どうすればいい?
...

毎日考え、悩み、苦しみ、葛藤する。 
何万回も自分に問いかければ答えが見つかるのか?
自分は、天命に従い進んでいるか?

やがて...
父と語る日が来るまで
その答えを探して歩いていこう。

最後に必要なのは「強さ」である。

理想を疑わない。
未来を見据えて揺るがない。

父のような男になろう。
強くなり、父に近づこう。

この季節になると
思い出すのは最後の仕事の瞬間。
父の背中である。

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