新しい価値観の中で

東日本大震災から1カ月。

私達は、新たな価値観の中で生きている。

夜、目を閉じると
今日のニュース映像が頭から離れず
説明のつかない不安にさいなまれて
夜中に目を覚ます…。

そんな日々が続いた。

浅い眠りの中でいつも
自分自身で想像し得る
あらゆる事態を想定しては
それが不安の連鎖を生み
深層心理の恐怖が積み重なる。

夜中に目覚め、
蛇口の水を飲み干す。

汗ばんだ背中に冷気を感じ
正気に帰ったころには
すっかり眠気も失せて
胸の奥の”もやもや”だけが残る…。

バラエティー番組の
乱痴気馬鹿騒ぎは一瞬だけ
心を現実世界から逃避させる。

やがて、コマーシャルで
何やら台詞を繰り返す
タレントたちの姿にさえ
違和感を覚える。

〜今、わたしたちにできること〜

そういうフレーズが
私を益々悩ませる。

悲劇の瞬間に、一瞬で消えた
何万にも上る“命”の現実を前にして
何も出来ていない自分に
罪悪感さえ感じる日々が続く。

無力感に苛まれる。

九州に住む私でさえ
徐々に蓄積するストレスに悩まされている。

日本の島が、まるで
もがけばもがくほどに絡みつく
目に見えないベールで覆われ
出口を求めて彷徨っている。



昨日…

久しぶりに車を走らせ
遠くまで桜を見に行った。

満開の桜が咲く河畔で
見上げた枝に息吹く
力強く儚い桜色の命。




あまりに美しい空との
コントラストを見た瞬間に
プチンと自分の中で
何かが弾けた。

「私は生きていて、何も失ってはいない」

まだまだこの先に続く
長い旅を続けることができる。

生きている喜びを表現することは
何にも”不謹慎”では、無い。

世の中は、悔しいほどに
不公平である。

だからこそ、元気な私は
精一杯に命を謳歌しなくてはならない。

〜今、わたしたちに出来ること〜

それは、毎日を全力で
生きること。

散りゆく運命〜さだめ〜と知りながら
一気にその命を芽吹かせる桜。

瞬間に色香に、酔う…。

春の桜は今、
私達の”固まった心”を
静かに溶かしてくれる。

命の喜びを再び
気付かせてくれる。



東大寺が一億円借金して
その全額を被災地に届けるという
エピソードが目にとまった。

天平時代の大仏造営の際、
宮城県涌谷町から献上された砂金が、
大仏に鍍金(ときん)された
そんな恩を返すという。

「千年に一度ともいわれる広範囲な災害であり、
借財して義援金を届けることにした。
被災地で被害を受けた文化財の修復にも
役立てていただければ」と話した。
産経Web

1300年(!)前の
宮城県人の想いが
悠久の時を超えて
現代に繋がった瞬間でもある。

時間の観念。
命の概念。

そんなことを改めて考えてみる。

***********************

朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり。
すでに無常の風きたりぬれば、
すなはちふたつのまなこたちまちに閉ぢ、
ひとつの息ながくたえぬれば、紅顔むなしく変じて
桃李のよそほひを失ひぬるときは、
六親眷属あつまりてなげきかなしめども、
さらにその甲斐あるべからず。

************************

震災から1カ月…。

来年も、再来年も
そしてこれから更に
1300年後にも咲き誇る
美しい桜を愛でる日本人たちへ
”今”の私達が残し、
繋いでいくべきものは何だろう。

儚い夢幻のごとき命なれば
せめて一瞬の輝きに感謝しつつ
使命感を持って突き進んでみせよう。

風に舞う
ひとひらの桜の花びらに想う。


Follow me on Twotter
@ippeichan
Find us on Twitter
facebook.com/CORNER.Miyazaki
Thanks!

  • 一平寿司
  • タリーズコーヒー
  • 九州パンケーキ