最後の一杯 / A Barista's Story...

まだ人気のない店内で
一人静かに
エスプレッソマシンを立ち上げる。

最高の状態でコーヒーを提供できるように
今日の天候や湿度に合わせて
グラインダーミルの調整を行う。

店内の椅子、テーブルを並べ
サンドイッチやデニッシュを揃え
忙しく開店の準備。

全ての準備が整って
店が開く直前の
一瞬の静寂の中で味わう
一杯のエスプレッソ…。

バリスタにとって
平和な日常の風景。

仙台にある、
タリーズコーヒー。

3.11の大震災で被災。

無情の津波は
そんな一切の日常を押し流した。

その店のオーナーは
フェロー(仲間)達の無事を信じ
募金箱を持って
震災の翌日から
連日、横須賀の駅に立った。

社員、アルバイト含む38名。

全員の無事を祈りながら
声を張り上げて
叫び続けた。

ぶつけようのない怒り。
矛盾と現実。
混沌と過ぎゆく時間。

震災から10日目。

フェロー達の待つ避難所へ
横須賀から車を走らせる。

必要物資を届けるための車中で
唯一安否確認が取れなかった
最後の一人の消息が入る。



あまりにも、
悲しい結末。



早朝からのシフト(勤務)を終え
自宅で子供たちと共に寛いでいたときに
やってきた悪夢の瞬間。

子供たちと寄り添うように
発見されたとのこと。

信じたくないが
それは現実。

悲しい…。

あまりに、悲しい結末。



最高のエスプレッソを淹れるために
バリスタ(職人)は心血を注いだ。

心優しいバリスタは
笑顔でお客様を迎えた。

オープン以来
毎日、毎日…がんばった。

最高の一杯を淹れるために
そのバリスタは
惜しみない情熱を注いだ。

バリスタは
お客様の幸せのために
コーヒーを淹れる。

一杯のコーヒーに投影する
思い出の瞬間。

その瞬間を紡いで
バリスタは
感動のストーリーを描き続けた…。



3月11日が、
最後の一杯になった。

一人のバリスタが注いだ
コーヒーへの情熱。

彼の愛した日常は
決して帰ってこない。

でも、彼の情熱は
全国のフェロー(仲間)達が引き継ぐ。

僕達タリーズファミリーは
決して忘れない。

いつの日か
彼が愛したその場所で
地域のお客様に
最高の一杯を届けよう。

彼のために。

最高の笑顔で
コーヒーを届ける!

…そう誓う。

All of our Tully's family baristas are never forget about your passion.

合掌。

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