準備の時間 

羽ばたく前の苦しみを味わっている。

一歩進んでは
また後退する。

満足は一瞬のマボロシ。

続くのは理想との乖離から来る
モヤモヤとした違和感。

裏舞台は決して美しくないもの。
誰にも見せない苦しみに満ちている。

華々しいステージも
数万人の観客で埋め尽くされたスタジアムも
銀幕の美しい映像も
我々がそこで目にするのは
全体の一部でしかない。

スーパースター達には
人目には決して触れない
血の滲むような努力と葛藤
そして揺るぎない”想い”が存在する。

想いがあるから違和感がある。

人は違和感を抱えて生きてはいけない。
“慣れ”てしまえば違和感は消える。
しかし、それは理想を捨てること。

楽して違和感を消し
今に満足して生きるものは
決して表舞台には上がれない。

現状に慣れることなく
理想の自分、理想の場所、
そして理想の瞬間を追い続けて
努力と葛藤を続けていく。

その積み重ねの結晶が
一瞬の輝きとなって
私達に感動を与えてくれる。

毎日の繰り返しを
単純な日常にするか
刺激的な”変化”にするか…。

世界中で同じ夕日を眺めていても
万人の感動は異なる様に
我々は皆
自分自身が創りだす世界に生きている。



レストランには人生がある。

積み重ねた”準備の時間”が深いほど
お客様に感動を伝えることができる。

準備の時間は無限…
そして本番は一瞬である。

キッチンはお客様の姿を思い浮かべながら
その一皿に想いを込めているか?

ホールスタッフは
お客様の笑顔と感動のために
所作の隅々にまで集中力を持って
気配りができているか?

マネジメントは
全てのスタッフ(戦士)の手本となり
100%の信頼を勝ち取って
先頭に立って戦っているか?

我々のレストランは
一歩足を踏み入れた瞬間から
”まるで自分だけを迎えてくれているような”
温かい感覚を与えることができてるか?

すべてのサービサー達が一体となって
ドラマを創りだすことができているか?

一瞬の輝きの連続…。

レストランの場面は
”ファンタジー”である。

お客様と私達、
面識のない個人が
レストランと言う場面を介して
まるで昔からの友人…
いや”家族”のように
一瞬にして近い存在になれる。

誰でもが一歩足を踏み入れた瞬間から
時間と喧騒を忘れて
ひとときのファンタジーに酔う。

そんな風景をイメージしながら
CORNERを作った。

そこに来れば何かがある。
ワクワクして笑顔になる。
そんな場所を創りだしたくて
Tully's COFFEE を作った。

オープン当時は
スタッフ全員が素人。

まるで初めての体験だったけど
理想と想いだけは誰にも負けない。

いつか宮崎の街を代表するような
地元のお客様に“誇りである”と
そう言っていただけるような
”地域に無くてはならない存在”になりたい…。

そう想い続けてディケイドが経過した。

いまだ未熟な私達。

お客さまからはお代を頂きながら
育てて頂いている感覚。

昔アメリカに住んでいたときに
ある古びたレストランの壁にかかっていた
一枚のポスターを思い出す。

"Patronize your neighborhood kitchen!"
こんな感じの文言が書かれていたかな…。

何年もかけながら
地元のパトロン達(支援者)から支えられて
ゆっくりと成長していく。

期待に答え続ける義務と責任。

“自覚”無くしては
やがてパトロン達からは愛想尽かされ
ステージに上がることすらできなくなる。

どんなスーパースターも
その舞台裏では
汗と涙を流し、
いつか浴びるスポットライトを夢見て
今日の厳しい練習に耐える。

みんな、羽ばたく前の
苦しみを味わっている…。

”一流”と呼ばれる場所。
“一流”と呼ばれる人。

我々が目にする眩いほどの輝きは
彼らの持っている世界の
”全体のほんの一部”でしかないのである。

準備は無限である。
修行と修練はどこまでも続く。

その苦しくて長いトンネルを
ただ前だけを見据えて走り続ける。

心を支えるのは
情熱と想い。

CORNERはやがて
『街を変えた一軒のカフェ』として
伝説となる。

Tully'sのあるカフェの風景は
そこに集う人々の交差点となり
”場のチカラ”が新しい文化を生み出していく。

ご近所さんに支えられた
一平の”元祖レタス巻き”の味は
県民の誇りとして
何時までも此処で受け継がれていく。
その理想は新しいカタチで
やがて全国に広がっていく。

伝統は革新を繰り返さなくてはならない。
変化を恐れた瞬間に“進化”は止まり
やがて衰退と死を迎える。

この場所から街は変わる。
我々は、そんな場所を創りだしていく。

修行時代は
ひたすら生意気であれ。
理想溢れた夢想家であれ。

誰から何を言われようが
我信じる道をまっすぐに進んでいく。

スタートラインに立つ者は
ギラギラとした野望と理想を高く掲げて
苦しみの向こうの快感を夢見る。

やがてやってくる一瞬の輝き。

お客様との一体感を味わう
ファンタジーに浸る喜びの瞬間…。

そのときまで
ひたすらに準備を重ねよう。

一瞬の喜びのために
無限の準備を重ねる…。
それは日本古来から伝わる
茶の道にも通じる
おもてなしの極意でもある。

まだまだ理想の世界には
遠く届かないけれども
情熱と想いは深くなるばかり。

昨日の成功はすべて過去のもの。
一瞬の喜びは淡い陽炎。

いつも、何時も理想の世界を夢見て
挑戦を重ねていこうと思う。

準備は無限。
いつもスタートラインの心持ちである。

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