別れの日

生まれ育ったころから
近所にいて
いつも可愛がってくれた
定食屋さんのおじちゃんが
亡くなった。

最近は体を悪くして
いつも寝ていたけど
無理して階段から落ちて
頭を打ったって。

寂しい…。

子供のころには
近所には
沢山のお店があった。

定食屋
牛乳屋
肉屋
ふろや(銭湯)
八百屋
豆腐屋
駄菓子屋
散髪屋さん

いくつものお店があった。

毎日、学校から帰れば
どこかの店に入っていって
おやつをもらったり
時には夕食をごちそうになったり。

近所には知らない人はいないし
鍵がかかっている家なんてない。

大人たちはみんな
ときに厳しく
そして優しかった。

やがて1軒
また1軒と
店が無くなっていく。

楽しかった賑やかな商店街は
ばらばらになっていった。

今日は、食堂のおじちゃんが
天国に旅立っていった。

最近はなかなか
顔をみることもなかったな。

斎場に入ると
正面に遺影の写真。

いつもの優しい笑顔を見たら
様々な思い出がよみがえり
幼少のころの
楽しかった記憶とともに
涙が止まらなくなった。

一人残された
おばちゃんの
小さな震える背中が
本当に寂しそう。

おばちゃん、
また元気に
”鍋焼きうどん”を
作ってほしい。

参列した近所の散髪屋が
「俺がとうとう年長になったが…」
「次は俺の番やね」
って泣き笑い。

残された俺達は
深い悲しみの中にも
世代の責任を感じて
引き締まる気持ちがある。

まちは変わる。

人も変わる。

変わらないものなんて無い。

でもね…

30年前の
賑やかで華やかな
風景の中で
父もおじちゃんも
生き続けている。

10歳の僕は
商店の裏路地をすり抜けて
暗くなるまで走りまわり
楽しく暮らしている。

思い出は、
決して消えない。

おじちゃん…、

天国でまた
近所のみんなと
楽しくジャン卓でも囲んで
大声で笑えばいいよ。

おやじにも
宜しく伝えてほしい。

おじちゃん、

どうぞ安らかに…。

合掌。

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